あれはちょうど付き合って三度目の春だっただろうか。 帰宅すると、彼女は部屋中にソース臭をただよわせていた。 僕としても彼女を責める気があった訳ではない。 「U.F.O.を食べた」ただその一言が聞きたかっただけなのに、彼女はそれを「香水だ」と言い張った。 「これはボケなのか・・?」そう思った僕は、その後も次々と繰り出される嘘に、 関西人としての誇りを胸につっこむことをやめなかった。 途中からは、テンポのよい掛け合いに、高揚感さえ覚えていた。 「もっとくれ・・・」「もっとつっこませてくれ」僕の中のナニワな部分が、そう叫んでいるようだった。 ...
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